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掲載日:2019.10.16 イベント

NanoLSI公開セミナー(三部制)

NanoLSI公開セミナーを下記のとおり開催します。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。

日時

2019年11月5日(火)
第一部 15:00 – 15:30
第二部 15:40 – 16:40
第三部 16:50 – 17:50

開催場所

金沢大学角間キャンパス ナノ生命科学研究所1階セミナー室

第一部

タイトル「転移性脳腫瘍におけるがん抑制性・促進性アストロサイトの制御メカニズム」
講演者 石橋 公二朗 先生(金沢大学がん進展制御研究所)

がん脳転移は極めて予後不良である一方、がん全体の生命予後改善に伴ってその症例数は増加しており、その克服は現代のがん研究が直面している課題である。我々はこれまでに、脳微小環境の主要な細胞であるastrocyteががん脳転移の形成に重要な役割を担っていることを報告してきた。我々が新たに開発した脳転移微小環境を模倣した系での解析の結果、脳転移がん細胞の周囲のastrocyteには、がん促進性と抑制性の2つの異なるサブタイプが存在していることを見出した。本セミナーでは、がん脳転移におけるastrocyteのサブタイプを決定づけるメカニズムに関して、現在までに明らかにした結果を発表したい。

第二部

タイトル「Shaping the vasculature – a balance of endothelial cell biomechanics and hemodynamic forces」
講演者 Li-Kun PHNG 先生(RIKEN Center for Biosystems Dynamics Research)

Many organs become vascularized through the process of sprouting angiogenesis, when endothelial cells from pre-existing blood vessels migrate into avascular regions to generate new vascular sprouts. The subsequent formation of tubular vessels that carry blood flow requires the spatiotemporal coordination of diverse cellular behaviours such as collective cell migration, cell rearrangement and apical membrane expansion, all of which depends on specific cell shape changes. In this talk, I will demonstrate that a tight interplay between endothelial cell biomechanics and haemodynamic force is required for shaping and patterning of blood vessels.

第三部

タイトル「マイクロ流体デバイスを用いた生体外三次元組織工学」
講演者 須藤 亮 先生(慶應義塾大学 理工学部システムデザイン工学科)

近年のマイクロ流体デバイス技術の発展によって、従来の培養皿では難しかった細胞配置や拡散・対流といった微小培養環境をコントロールすることが可能になってきた。我々は、三次元ゲルの足場と、2本の隣接するマイクロ流路を有するマイクロ流体デバイスを用いて、がんや血管の組織工学に関する研究を進めている。本講演では、このようなマイクロ流体デバイスを用いてがん細胞の浸潤や血管形成に関して調べた最近の研究成果を紹介する。特に、間質流がグリオーマ幹細胞の浸潤に与える影響や、血行力学因子が血管形成に与える影響について議論する。

主催・共催等

主催
金沢大学ナノ生命科学研究所 (WPI-NanoLSI)

お問い合わせ・お知らせ

ナノ生命科学研究所 (NanoLSI)
准教授 奥田 覚: satokuda [at] staff.kanazawa-u.ac.jp
助教 戸田 聡: satoshi.toda [at] staff.kanazawa-u.ac.jp
※[at]を@に置き換えてください。